今回は、「一般社会と広告業界の認識の相違」について話します。
こちらについては、2021年の時に呟いたものですが、1500いいね以上の共感を得ています。
(※当時は、まだXではなくTwitterでしたね。当時からイーロンマスクの株を買っていたらいくらになっていたのか。)
こちらのつぶやきについて、解説していきます。
そもそも日本の労働環境とは?
広告業界と言うと一般的に、「忙しい」イメージがあります。
「広告代理店」や「広告業界」に所属すると、労働時間にバグが生じて一般的な時間感覚とズレます。
まずは、そもそもの日本社会の一般的な労働時間について解説します。
そもそも一般社会の労働時間とは?
そもそもではありますが、一般社会の労働時間ってどんなものなのでしょうか?
厚生労働省としては、原則1週間40時間。1日8時間と決まっています。
これを超えると「法定外時間労働」となります。いわゆる、「残業」のことを指します。 ※逆に言うと、1週間に40時間以上働いていなければ、法定外労働とはならず「残業」とはなりません。
日本一般社会の平均労働時間とは?
「労働時間等に関する実態調査」を参考に、日本の労働状況の平均を見ていきます。
(「労働時間等に関する実態調査」とは、WEB労政時報が発表している全国の証券市場上場企業および上場企業に匹敵する非上場企業を対象とした調査報広告書になります)
主なポイントは下記になります。
- 年間所定労働時間(2023年度):1908時間14分 (1ヶ月平均159時間、1日あたりおよそ7.95時間)
- 年間所定休日日数:121.4日
- 年間総実労働時間(22年度):全産業平均2017.9時間。
(「2000〜2050時間未満」が15.6%と最も多く、「1900〜1950時間未満」「1950〜2000時間未満」がともに13.9%で続く。産業別に見ると、非製造業のほうが製造業よりも長時間の傾向にある) - 年次有給休暇の取得状況(2023):平均取得日数12.3日、取得率は66.7%
- 時間外労働の実態(22年度):1人1カ月当たり平均で17.5時間。
つまり、日本はそもそも残業代がつかない範囲で働き過ぎではあります。
しかし、おおよそ1日8時間あたりの労働が一般的に平均的ではあると言うことがわかります。※そもそもちょっと多いですが。
広告業界の労働時間とは?
実際の広告業界の労働時間とはどれくらいなのか。
簡易的に見てみます。
とあるサイトを参照すると、残業時間は、ランキングTOP2にあります。平均残業時間が83.5時間です。
シンプルに営業人日(20日換算)で平均すると、「1日あたり4時間」ほどの残業をしていることになります。
仮に10:00出社の場合終わるのは早くて22:00くらいという計算になります。
この計算は、割と合っている気がします。10:00-22:00終わりで平均的で、ちょっと早く終わったかなぁと言う感じです。
広告業界と一般社会との違いとは?
それでは、広告業界と一般社会との違いの認識の違いについてまとめることができればと。
投稿を再掲。
主に、広告業界にとっての価値観を時間に変換してみます。
「忙しくない」=19:00には退社できる
広告代理店の人は基本的に、時間感覚がバグっています。
世の中的には、19:00といえば「夜」であり、人によっては「退社」する時間です。
しかし、広告業界において「19:00」は早い方です。感覚的にいうと、「軽く晩御飯食べて作業でもするか!」と言った気分でもあります。働き過ぎな広告業界の人にとって19:00は「忙しくない」という領域に含まれます。
割とびっくりされる人もいますが、「19:00から作業できればラッキー!」と、本気で思っている人間がいます。
もはや日中は、朝から打ち合わせがずっと入っていて作業できる時間がなかなか取れないこともあるので、心的には少し「自由時間」「やっと仕事できる!」のような感覚です。
世の中の人、気をつけてください。広告業界の人に「忙しくない」と言われたら、まずは一般人にとって残業をしている状況くらいをまず指します。
「普通」 = 20:00〜23:00
はい、では、広告業界において「普通」とはどうなのでしょうか。
普通はおおよそ20:00〜23:00くらいに仕事が落ち着いて終電には余裕を持って帰れる時間です。
基本的に家に帰って、後は寝るだけくらいの余暇しかありません。
ゆえに、「どれくらい忙しい?」と聞かれて「普通だよ!」と言われたら、「23:00くらいまでは働いているよ!」ってことだと認識していただければと思います。
ここが一般社会と異なる点になりそうで別業界の人と「普通」が多少異なるので、ディナーの時間や遊ぶ予定は考慮したほうが良いです。
「ちょっと忙しい」 = 24:00 前後
はい、終電間際になって、やっと「忙しいアピール」が出てきます。
「ちょっと忙しい」で基本的に「終電越えるか超えないか」あたりのことを指します。広告業界は基本的に「来た仕事は断らない」スタンスでいるため、諦めが悪いので、どうにかできないかを考えます。
出社していると、「終電で帰るか」もしくは、「タクシーで帰るか」の判断になるため、多少の忙しいアピールをすることになります。
とはいえ、翌日までには掛からないので、「なんとかイケる」と考えている節もあります。
「忙しい」 = 徹夜レベル
はい。忙しいとキッパリ言われた場合は、「徹夜レベル」を指します。基本的に徹夜するかどうかが「忙しい」かどうかのボーダーラインだったりする人もいます。
このレベルになると、「忙しい!」とキッパリ言われます。
この辺りになると「緊急性」や「重要性」のない案件は相談しづらくなったりします。
営業的には何かしらの「ネタ」を用意する必要が出てきます。
※仕事をすると何かいいことがあるという「メリット」の提示をする必要が出てきます。
「結構忙しいかも」 = 数日忙しい日が続く程度
忙しいと言いつつも、結局、仕事を受ける広告業界。
そんな広告業界でもやんわりと仕事を断りたい時に言うセリフが「結構、忙しいかも…」です。
一応、相手の顔色を伺います。広告業界の悪い癖ですが、人の顔色を見たり、「人」や「状況」で判断したりします。根幹的には「人のためになりたい」「面白くしたい」「役に立ちたい」などという気持ちはあります。
割と連日忙しい日が続いている、もしくは、続く可能性があるときに使います。言葉の裏には、「そろそろ休みたい」や「面白い仕事だったらやるかも」といった少し拒否の現れがあります。
「無理」 = 無理。
はい。どこの世界もそうでしょうが、「無理」は無理です。
本当にカレンダーを見ても「隙間」すらない状態になります。
この状況になると、物理法則が無視されてそもそもトリプルブッキングしなくてはいけないという状況になります。
※ただこの状況あたりから謎にマリオでいう「スター」を手に入れた時のように、頭が少し冴えて10分くらいの発言でクリティカルに問題解決などが生まれることがあります。と、錯覚するようになります。
「繁忙期」 = 軽く致死レベル
繁忙期になると、新規の案件はほぼ無理になります。
人によっては、疲労や精神的に体調が少し崩れてくる時がてきます。繁忙期は割と忙しくてあまり記憶がないことが多いです。
ただ、最近はインターネットや広告業界の働き方改善、協力会社の増加などがあり、繁忙期といえどもそこまで忙しさを感じない人もいます。昔は本当に致死レベルくらいの労働がありましたが、現在はある程度は、管理されているところが多いと思います。
また、人によって実は広告業界は繁忙期が変わる珍しい業界だったりします。※案件やクライアントによる為。
繁忙期の人に対しては優しく接しましょう。
まとめ
今回は、広告業界の一般社会の忙しいの認識の相違についてまとめました。
どうしてこれをまとめようと思ったかというと、私自身がたまに、広告業界以外の人と予定を立てたりするときに、想像以上に違和感があったからです。一部異なる点があるかもしれませんが、それについてはTwitter(ひとやすみくん@1q3_japana)かお問い合わせなどから教えていただければと思います。
広告業界の人は、割と働くの好きなのか、単純に働きすぎなのかは分かりませんが、良い意味でも悪い意味でも「社会一般とは認識が違う」と言う認識を持った方が良いかと思います。
自分が働くのが好きなのは良いですが、他人に迷惑をかけたりするのは良くないです。改めましょう。
お役に立てば幸いです。
(これを見て広告業界怖いと思う人もいるかもしれませんが、最近は全体的にゆったりしていることがありますので、そこまで恐れずに、、。)
余談) もしもイーロンマスクの株を買っていたら
冒頭で、イーロンマスクの株を2021年に買っていたらどうなっていたのかをボソっと言ってみたものの、ちょっと気になり調べてみました。
2021年9月のテスラの株価
仮に2021年に「テスラ」の株を買っていた場合。
NASDAQ: 「TSLA」 で2021年9月3日で「244.52USD」です。現在(2024年)価格では、35,685.62 円です。
当時の米ドル円相場は、「1ドル=109.94円」です。ゆえに、当時は、1株あたり「26,882円」。
2024年1月のテスラの株価
では、現在2024年1月のテスラの株価はいくらなのでしょうか。
株価は、「277.34USD」です。現在価格は、40,472.92 円になります。
ゆえに100株所有で、「1,359,000円」の値上がりがあったようです。
以上、余談でした。
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