今回はこんな質問が届きました。
質問の内容はこちら。おそらく、仕事で「プレゼン」をしている若手の方でしょうか。
プレゼンをする時に、パワポの資料を読むだけになってしまいます。練習しても本番になるとできなくなります。どうすればいいですか?
マシュマロの質問より引用
企画職であると、「プレゼン」をする機会が頻繁にあります。
プレゼンをよくする人であれば、小さいものから大きいものまでを考えると年間に100本以上はプレゼンしている可能性があります。
(1週間に最低でも1~2本はプレもしくは提案があるとして、1年間は52週間あるという計算のもと)
※実際は、月1~2でかいコンペがあるくらいで、年間2〜30くらいが一般的でしょうか。
今回は、「プレゼン」で意識している点を解説します。
(マシュマロで回答していますが、それを少し深掘ります)
まず、プレゼンの種類について
まずは、プレゼントとは何かを知る必要があります。
よく「プレゼン」というと、大きな大型コンペで身振り手振りを大袈裟にしているイメージや、ろくろを回しているベンチャー社長のイメージが一般的です。
しかし実際は、プレゼンは大小関係なく仕事で提案するものを指すと考えると良いです。
プレゼンは、「プレゼンテーション」
当たり前ですが、プレゼンとは、「プレゼンテーション」のことを意味します。
言葉の意味としては、下記になります。
「プレゼンテーション」の略。(人前で口頭で行う)提示・提案
Oxford Languages より引用
つまり、人前で口頭で行う提示や提案のことを指します。
幅広い範囲ではありますが、人から人への提案は基本的にプレゼンです。
ゆえに、ビジネスのシーンでは、提案が非常に多いのでビジネススキルとしてはとても重要なスキルです。
プレゼンは結局「人」が大事
プレゼンをするとなると、「プレゼン」自体に目が入ってしまいます。
しかし、そうすると、敵が見えない状態で、何をすればいいのかわからず「完璧主義」に陥ってしまいます。
この「完璧主義」の状況は、プレゼンが失敗する原因や、うまくプレゼンができない理由です。
プレゼンは9割、思う通りに進みづらいので完璧主義になった時点でミスするたびに「焦り」が生まれて、さらに悪循環になります。
まずは、プレゼンする相手をよく考えることが重要です。その相手にとって何を提案すれば良いのか。
それがプレゼンの大前提です。まずは、目の前の人にとって何が課題であるのかを考えるべきです。
途中の成功よりも「誰に」「何を伝えたいか」が大事です。
プレゼンは「演劇」と捉える
個人的に、プレゼンとは、「演劇」であると考えるととても分かりやすいです。
プレゼンテーターは「役者」。聞き手は「お客さん」。企画書は「台本」。そう考えることで、プレゼンは楽しいものになります。言ってしまえば、イベントのようなものです。お遊戯会の準備をするつもりでいつも挑んでいます。
お客さんである、聞き手の心をいかに感動させてプレゼンという舞台をどう楽しんでもらえるかが大事です。
ゆえに、プレゼンとは常に、エンターテインメントである必要があります。
自分のプレゼンの目玉はどこなのか、どこで驚きやWOWを与えるのか。
どうすれば、飽きずに面白がってもらえるか、プレゼンの「ピッチ設計」から考えるのが一番大事です。
プレゼンの上達方法について
では、実際に、プレゼンの上達方法について記載します。
こちらは、主に私なりのやり方を参考にしつつ、周りの人のやり方も参考にしています。
基本的にプレゼンを生業にしているは、少なからず似たようなやり方をしていると思います。
1 企画書を「プレゼン仕様」にする
「企画書」を「プレゼン用」にします。
世の中の人で勘違いしている人が多いのが、プレゼン資料と企画書を同様のものと捉えている人が多いです。
プレゼン資料は、あくまでプレゼンをすることに前提に資料を作るべきです。
プレゼン資料も企画書もどちらも企画を伝える点では似ていますが、実は異なります。
簡単に言うと、企画書は「読み物」、プレゼン資料は「口頭説明資料」といった感じかと。
これのせいで、プレゼンではなく「企画書」を説明する、いわば、読み合わせのような形になってしまいます。
そうすると、全部を事細かく説明する必要が出てきてしまい、説明説明してしまったものになってしまいます。
まず資料として、下記のものがあると言うことを理解した方が良いです。
- プレゼン資料:口頭で説明するための資料。提案の要点を流れを通して説明できる資料
- ブレスト資料:アイデアをわかりやすくした資料。
- 企画書:企画がわかりやすくまとめられた資料。主に企画の概要がわかる必要があります。
- 実施概要書:企画書をさらに実施フェーズになった時の資料です。実施に向けて細かく書いた資料になります。
- 上申資料:クライアント内で回る資料になります。クライアントの担当者が上に通すようの資料です。
主に上記のような資料があります。
これらのどれの資料を作っているのかを、頭の中で念頭に置く必要があります。
2 「1メッセージ1ビジュアル」スライド
では、プレゼン資料とはどうゆう資料なのか。
それは、シンプルに読む流れを意識することです。
文字のサイズは、18px以上がおすすめです。(細かい補足文字は8pxが最小で、基本それはプレでは読まない。)
1ページに対して、基本的に1メッセージ、1ビジュアルにします。
それだけで資料としてはとてもわかりやすくなります。
途中でリズムを作るために、セクションごとに「中扉」を入れると、聞いている側として頭がスッキリします。
(水を飲むタイミングや途中でのリラックスタイムでもあります)
3 「紙芝居型」提案にする
プレゼンで、ページの文字量を少なくして、一枚一枚をペラペラとめくりながらプレゼンすることを「紙芝居形式」と呼びます。
この形式は、全体の資料の量が多くなりますが、クライアントと一緒にページめくりしながら見ることになるので、「一体感」が生まれます。
また、そのページを集中して聞いてくれるので、話が遅れている人が見つけやすくなります。
この時に、大事なのが意外と対面であれば「プレゼン資料を出力」することです。それだけで、進行がしやすくなります。
基本的に1枚1分もかからずに捲るイメージで大丈夫です。
パッパッと捲ることで、「飽き」が来ないようにします。
(※クライアントの動きを見ることも大事です)
4 「ページネーション」から作る
プレゼンをする際に、企画書を作成すると思います。
その際に気をつけた方が良いことが、「企画書」から作り始めないことです。
すぐ書き始めずに、まずは、全体の流れから作ることです。
それを「ページネーション」と呼びます。いわば、企画書の構成。目次をさらにブレイクダウンしたものを実際のページ数に合わせてパワポなで割ることを指します。
企画書から書き始めると、細かいページと内容の薄いページが混在したりと、気持ちよくない資料になることになります。
また、「流れ」を気持ち良くすることが大事です。
その際に気をつけた方が良いことが、目線の動きを意識することです。
基本的に目線は、「左から右」もしくは、「上から下」と流れていきます。
ゆえに、デザインを組むときは、「Z」を意識すると良いです。
また、さらに重要なのが、ページのデザインは基本的に一緒にすることです。
どこに文字があるのか、どこから文字が始まるのか、などは基本的に同じ形にします。
特にインパクトを与えたいページでない限りは、1枚1枚同じデザインのページするべきです。
5 プレゼンを「録画」する
これは、やったほうがいいと思いつつ、やったことがない人が多いと思います。
自分がプレゼンをしている風景を録画して見てみます。とても発見があります。
圧倒的に「第三者視点」になることです。プレゼンは自分目線ではなく、絶対的に他者目線が重要です。
正直、初見で見るととても違和感と気持ち悪さがあると思います。
自分の声を聞くととても羞恥心を感じる人が多いです。
それは、みてる側も同様です。それを正すだけで、プレゼンはかなり向上します。
特に、無意識の口癖や手癖は直した方が良いです。
6 聞く人をイメージする
これが最も大事なことです。
結局、聞くひとに合わせて資料を作っているかどうかです。想像力が大事です。
まず、プレゼンを聞く人が誰なのか、どんな人なのかをイメージします。
誰に何を伝えたいのか、課題は何なのか。それが、プレゼンの基本中の基本です。
むしろこれが分からないならばプレゼンする必要がそもそもないです。ただの無駄な時間に終わります。
そのイメージが具体的なほど、プレゼン資料の精度があり、プレゼンがうまくいくコツになります。
7 プレゼン資料を最高の「カンペ」化
プレゼン資料をただ「読むだけ」となっていると、悩む人がいます。
しかし、実際は、プレゼンを「ただ読むだけ」でも良いと考えています。
プレゼン資料は自分にとって最高の「カンニングペーパー」だと思うことが大事です。
そのための資料だと思って、資料を作ります。
資料を見ながら「それを説明するだけ」それくらい、簡単にすると良いです。
極端な話、その資料があれば、「誰でも読むだけでプレゼンして伝わる」レベルくらいに簡易的でわかりやすい資料を作ることが大事です。
基準は、小学生でもわかるくらいだと誰でもわかります。
絵本や紙芝居は、ただ読んでいるだけですが、頭に入ってきますよね。それと一緒です。
まとめ
今回は、プレゼンについてまとめました。
一応おさらいで、下記になります。
- 企画書を「プレゼン仕様」にする
- スライドを「1メッセージ1ビジュアル」
- 「紙芝型形式」にする
- 「ページネーション」から作る
- プレゼンを「録画」する
- 聞く人をイメージする
- プレゼン資料を「カンペ」化
以上です。
参考になれば幸いです。
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